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肩関節における機能的関節の役割とは?CーCメカニズムを詳しく解説

佐藤てつや
佐藤てつや
北海道理学療法士の佐藤てつや(@AmoPhysical)です。
現在は整形外科クリニックで勤務し、医療サイトを2つ運営、勉強会団体の運営にも携わっています。

 

みなさん、下記のようなお悩みはありませんか?

 

悩める人
悩める人
機能的関節ってなに?
CーCメカニズムって何だろう?
第2肩関節がわからない

 

今回は、このようなお悩みを解決できる記事になっています。

 

ここで紹介する『肩関節における機能的関節の役割とは?CーCメカニズムを詳しく解説』を読むことで、肩関節における機能的関節の役割を理解することができ、臨床推論を深めるキッカケになると思います。

 

僕自身、臨床で肩関節障害を見る際に確認する部分です。
みなさんも要点だけでも覚えて、臨床で生かしていきましょう!

 

ちなみに、本記事では肩関節の機能的関節に着目して解説していきます。
解剖学的関節についての解説は別の機会にご紹介していきます。

 

本記事に要約

・肩関節における機能的関節について解説
・CーCメカニズムの役割
・第2肩関節の役割
・肩甲胸郭関節の役割

まずは、『機能的関節』を理解を深めるために、肩関節複合体について確認していきましょう!

 

肩関節複合体とは?

肩関節複合体は、肩甲上腕関節・胸鎖関節・肩鎖関節の「解剖学的関節」に加え、実際の運動を円滑(効率化・安定化・支持性に関与)にするために関節のように機能する、第2肩関節・肩甲胸郭関節、CーCメカニズムの「機能的関節」から構成されています。

 

【解剖学的関節】
肩甲上腕関節・胸鎖関節・肩鎖関節 →滑膜や関節包が存在する

【機能的関節】
第2肩関節・肩甲胸郭関節、CーCメカニズム →滑膜が存在しない

 

今回は『機能的関節』について詳しく解説していきます。

 

CーCメカニズム(coracoclavicular mechanism)とは?

CーCメカニズム(coracoclavicular mechanism)とは、烏口鎖骨靭帯により、肩鎖関節と胸鎖関節の関節運動を調節する機能です。

 

烏口鎖骨靭帯とは?

烏口鎖骨靭帯は、烏口突起基部の外側面と鎖骨外側1/3の下面を結ぶ靭帯です。

また、外側が菱形靭帯、内側が円錐靭帯によって構成されている靭帯です。

【烏口鎖骨靭帯】
外側:菱形靭帯
内側:円錐靭帯

 

CーCメカニズムの役割

CーCメカニズムの役割は上記の烏口鎖骨靭帯の純粋な役割と同じであると考えてOKです。

①肩甲骨を吊り下げていること

②鎖骨外側端の上昇防止

③鎖骨と肩甲骨の動きの介達と緩衝作用

この3つの役割で肩鎖関節の不安定性を補っています。

 

肩鎖関節の肩峰面は鎖骨の形状より内上方を向いているため剪断力がかかりやすく、外力を受けると肩甲骨が内下方に滑りやすいという特徴を有している。

そのため、烏口鎖骨靭帯により、肩甲骨を吊り下げ、鎖骨外側端の上方を防止している。

 

また、鎖骨と肩甲骨の動きの介達と緩衝作用を有していることで、棘鎖角が増大する肩甲骨の外転・上方回旋・後傾を円錐靭帯が制御し、棘鎖角が減少する肩甲骨の内転、下方回旋、前傾を菱形靭帯が制御します。

 

mechanoreceptorについて

烏口突起周囲にはmechanoreceptorが豊富です。

この存在が、肩甲上神経を介して伝達することで、肩関節の固有感覚に関与すると言われています。

そのため、CーCメカニズムは肩関節複合体の安定性や協調運動を遂行する上で非常に重要になると言えます。

 

臨床推論のヒント

臨床では、肩鎖関節の可動性が問題になることが多くありますが、この鎖骨の動きには上記のC-Cメカニズムが関係してきます。

肩甲骨が回旋すると同時に烏口鎖骨靭帯が牽引されるので、鎖骨が回旋します。

上肢の挙上などで鎖骨が後方回旋するためには、この靭帯の正常な機能が発揮されていなければならないということですね。

この靭帯が拘縮していると、適切に運動が介達されないので、臨床上問題になってきます。

 

第2肩関節とは?

第2肩関節は烏口突起、烏口肩峰靭帯、肩峰からなるソケット状の烏口肩峰アーチと上腕骨頭から構成される機能的関節です。

第2肩関節の役割

役割は以下の3つ。

①骨頭の求心力の効率性

②腱板(棘上筋、棘下筋)の肩峰下滑動機能の円滑化

③腱板押さえ込み

烏口肩峰アーチの下には肩峰下滑液包とそれを取り巻く脂肪体が存在し、挙上時に烏口肩峰アーチに骨頭や腱板が衝突する際の衝撃摩擦滑りを軽減している。

 

また、烏口肩峰アーチが三角筋と上方の腱板(棘上筋、棘下筋)を分けており、収縮時に求心力を高めるプーリー機能が発揮され、骨頭の運動方向を誘導することができる。

それにより、挙上におけるフォースカップル作用を効率的に行うことができます。

 

肩峰下滑液包の破綻による問題

肩峰下滑液包脂肪体腱板癒着は肩峰下滑動機構を破綻させ、肩峰下インピンジメントを発生しやすくします。

臨床では肩峰下インピンジメントにより、夜間痛や結滞動作制限につながりやすくなります。

肩峰下滑液包は、三角筋中部線維と密に結合しているので、三角筋の攣縮や拘縮によっても肩峰下滑動機構が阻害される可能性があります。

 

肩甲胸郭関節(scapulothoracic joint)とは?

肩甲胸郭関節は、胸郭の凸面と肩甲骨の凹面との間で構成される関節です。

この関節も上記の関節と同じく、関節包を持たず骨同士の連結もしていなません。

ですが可動関節のように肩甲骨が胸郭上を滑走することから機能的関節とも呼ばれています。

 

肩甲胸郭関節の役割

役割は以下の3つ。

①肩甲上腕関節運動の支点形成

②肩甲上腕関節運動を担う筋群の収縮効率を高める土台

③肩関節複合体としての可動域の増大

簡単にいうと、結論コレです。

上腕骨の運動を円滑に行うために、肩甲骨を効率的に動かす

 

肩甲骨にはIST muscle (inter scapulo-thoracic muscles)が付着しており、挙上・下制、内転・外転、上方回旋・下方回旋の6種類の動きを実現している。

このIST muscleの作用で、上腕骨の可動方向に対して肩甲骨を様々な方向へ追従させて、上腕骨が関節窩からの逸脱を防ぐように機能しています。

IST muscleとは、肩甲胸郭関節の運動に関与する筋肉の総称である。

肩関節運動時の基盤となる肩甲骨の安定性を提供している。

 

追従するということは、肩甲骨は上腕骨の方向指示器のような機能を有していることになります。

肩甲骨が柔軟に動くことで、肩関節が安定に効率的に動かすことができるということですね。

 

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まとめ

今回は、肩関節における機能的関節の役割について解説しました。

みなさまの疑問が少しでも解決できれば幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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佐藤てつや
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北海道の整形外科クリニックで理学療法士として勤務。 運動器リハビリについての役立つ情報を共有していきます。
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